自転車メーカーはフレームの剛性をどのようにして測定しているの?剛性を比較するための業界標準はあるの?​​​​​​​

 

「業界標準」に最も近いものはZedlerの剛性対重量(STW)プロトコルです。この記事の後半でご紹介しますが、STWはTour Magazineでフレームの剛性を比較するのに用いられています。しかし、広くメーカーに採用されているわけではありません。

その事実は確かにCervéloが独自のプロトコルを開発した理由のひとつでもありますが、それよりも重要なのは、Zedlerが実際の走行時と同じ境界条件を適用していなかったことでした。境界条件とはシステムにかかる制約と力のことで、システムがバイクの場合は、制約と力はサイクリストがバイクに触れる箇所とタイヤが路面に接触する箇所に存在し、そこではバイクにかかる重力と空気力が比較的小さくなります。課題は、実際の境界条件を再現すること。とはいえ、正確で徹底したテストが行えるようテストそのものはシンプルに保たなければならず、また同時に、できるだけたくさんの異なるフレームサイズとジオメトリを簡単にテストできなければなりません。

そこでまず、どのような剛性がライダーにとって重要なのかを明らかにし、その実際の現象を記録することになりました。バイクにどのような力がかかっているのか?そしてそれはフレームのどこに? − 「プロジェクトカリフォルニア」のもと、長い実地テストのプロセスを経て私たちは「現実の記録」を手に入れました。

こうしたテストに基づいて、私たちは、剛性試験には重要な3つのタイプがあるという結論を導き出しました:

1. ねじれ剛性: 他社にはないCervéloの強み − 従来のテストではフレームをリアドロップアウトでジグに固定し、ヘッドチューブの中心で支えるようします。そのうえで、ねじり荷重をヘッドチューブに加えると、フレームが原則的にねじれます。フレームはねじられるものの、こうした荷重の加わり方は現実的ではありません。

しかし私たちは、タイヤと、ライダーの惰性によるコーナリング荷重をそれぞれシミュレーションすることで(下図2参照)ねじれ剛性に影響のないカーボン層を減らし、フレームを軽量化することに成功しました。

図2

2. ボトムブラケットの剛性:ボトムブラケットの剛性を測定する際は、垂直面または水平面に加えた力の下のたわみを測るのが一般的です。Cervéloでは、ピークトルクでペダルを踏み込む時と同じ15度のリーン角で力を加えます。ヘッドチューブは、スプリントでのダンシングを想定して固定し、ペダルにかかる力ベクトルと同じ方向でペダリング効率を正確に測定します。

3. 垂直剛性:これは一番シンプル。サドルに上からまっすぐ下向きに力を加え、どれだけたわむか測定します。Zedlerのテストプロトコルでは、これが正確に行われているため、私たちも非常に似たプロセスで実践しています。

結論:フレームの剛性の高さがうたわれている場合は、そのテストがどのように行われたかを考えてみてください。力はどのように加えられたのか、実際の走行条件を想定して行われたものか、その条件はどのように定義されているのか −「剛性が高い」としか言えないのなら、そのような会社は信頼できるでしょうか?Cervéloではこれまで、エンジニアリングのプロセスとそのデータを実際のテスト基準と合わせて公表してきました。

フレームの剛性はサイクリストにとって大切で、剛性によってハンドリングのレスポンスが良くなり、力が効率よく伝達されます。また、ペダルの下のフレームの剛性が高ければ、コーナリングの際に動きが予測しやすく、反応も思い通りで素早いため、走りやすく、サイクリストの自信につながります。フレームの「感じ」は主観的なものですが、徹底的なデータ収集と現実を見据えたテストは、最高のバイクフレームを目指す私たちの取り組みに大きく貢献しています。