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あと1メートルか2メートル

200メートルを全力疾走してゴールするには、Cervélo R5とS5のどちらがいいでしょうか?
注:このページは、最新バージョンのR5とS5のデータを反映するために更新されています。
スプリントには混乱がつきものなため、プロのロードレースシーズンの分析における重要な点として、バイクのフレームや空気力学といった個々の効果を指摘するのは困難です。しかし、それぞれのスプリントによる勝利は統計にまとめにくく、ラストスパートをかける誰もが勝利の確率を最大限に高めたいと考えます。
エンジニアの私たちは測定するのが好きなため、データをたくさん持っています。R5とS5という2台のCervéloのバイクに関する空気抵抗と重量のデータを測定し、それをTeam Dimension DataのEdvald Boasson Hagenによる通常の重量、馬力、200メートルのダッシュのスピードの推定値と組み合わせることで、この疑問に答えることができます。
Jim Martinのインパクトある論文「Validation of a Mathematical Model of Cycling Power(サイクリングのパワーの数学モデル検証)」は、バイクの動力源となる基礎物理を見事にとらえています。この研究は、従来の回帰法とより新しい仮想上昇法、さらに環境風の測定をはじめAlphamantis Technologies社のAerostickによる実地テストで行われたものの大半も含めて、ほとんどのサイクリング数学モデルの基礎となっています。
Jimのモデルを使用した便利な用法のひとつが、Tom Comptonの優れたウェブサイト analyticcycling.comです。スプリントの率直な比較はモデル化するのが簡単です。そこで私たちは、ラストスパートをシミュレーションした彼のページを利用しました。Tomは異なるホイールに乗った2人の同じライダーを比較するためにこのページを立ち上げましたが、入力欄に柔軟性をもたせたため、私たちは異なるフレームを使った2人の同じライダーを簡単に比較することができました。
比較のために、私たちは Edvald をCervélo R5の「スタンダードライダー」に、 Edvald をCervélo S5の「テストライダー」にしました。どちらの場合もライダーは同じで、ただCervéloの2つのモデルで空気抵抗と重量が違うだけでした。
私たちは、特定のスプリンターの空気抵抗面積(CdA)が0.333平方メートル近いことを風洞テストから知っています。また、サイクリストを乗せた状態のCervélo S5の抵抗面積が、R5より約0.015 m2小さいことも理解しています。そこで、分析の入力データとしてR5に0.333 m2、S5に0.318 m2を使用しました。
比較のポイントはUCI認定イベントのプロのライダーに関するものだったため、R5をUCIの最小条件である6.8kgまで安定させました。チーム用に構成したS5は通常、7kgを超えることはありません。そのため、重量の差は200グラムでした。
その他のパラメータは、どちらについても同じ値に設定しました(同じ74kgのサイクリスト、同じホイールなど)。その結果、S5は0.163秒でゴールし、R5のサイクリストを1.802メートル引き離しました。
当然ながら、バイクのレースは数学の問題ではなく、実地のスプリントの混乱は完全にはモデル化できません。また、これら2台のバイクにおける1メートルの違いだけでなく、レースに大きく影響する戦略的な要因が数多くあります。遅いライダーが行く手を遮ったり、集団の中で風上にいたり、カーブで観客のカメラを避ける羽目になったりすることもあるでしょう。もちろん優秀なスプリンターなら、あらゆる要素に気を配って勝利の確率を上げようとします。そして、他の条件がすべて同じだとしたら、Cervélo S5こそが頼りにできる要素です。現実的な驚くべきメリットをもたらし、常にライダーとともにあって、スプリントの最中であってもレースの他の戦略的な要素とは無縁な存在です。