エクストリーム アイアン ディスタンス トライアスロンのノウハウ

文章と画像の提供:Richard Thompson

北半球のほとんどの地域で雪解けが進み、何千人ものトライアスリートがビタミンDを身体に摂取しながら、ベースレイヤーを下に着けずに屋外でトレーニングをし、シーズン目標となるレースに向けた準備を楽しむ季節となりました。 

ですが、一部の人は夏への変わり目に、ウィンドベストを着て、腕と脚につけるウォーマーを2倍に増やすことになります。真剣な勝負が始まるからです。図書館のホラーコーナーにあるブックエンドのような、世界で最も過酷なアイアンマン ディスタンス トライアスロン大会、6月のケルトマン トライアスロン(スコットランド)と8月のノースマン トライアスロン(ノルウェー)があるからです。

どちらのレースでも、55°F(12.7°C)以上になることはめったにない水温の中を泳ぐことになり、そこで凍えなければ、12000フット(3.65キロメートル)以上の上り坂が含まれる112マイル(180キロメートル)の道のりをバイクで走ることになります。ほぼ氷点下の気温の中、雨や高地に耐えながらです。それでもまだ、続けられるのであれば、靴を履いて、標高差3000f+(914メートル+)の険しい地形の中でマラソンすることになります。  

Norsemanウェブサイトの最初に、「あなたに向いていません。悪く思わないでください。適したものではないんです。」と掲載されているのは伊達ではありません。  

少しでも興味を持っていただけたなら、ぜひこのままお読みください。アイアンマン ディスタンス トライアスロンを極めるために必要なことについて、私の考えをご紹介します。

こういった過酷なイベントが魅力的な理由とは? 

初めてトライアスロンに挑戦して以来(短距離レースで、太っっていた当時の18歳の私は最下位でした)、私はトレーニングでどれだけ体を改善できるか、レースにどれだけ耐えられるかを確かめるための旅を続けています。こういった人たちの多くは、毎年10月に開催されるKonaを体験するため、世界中のアイアンマン ディスタンス レースに参加しています。

Konaで自分の年齢グループで勝利して以来、私は他にどんなことが可能なのか見てみたいと思っていました。自分がどれだけ速く走れるか、完璧なレースをするために、毎年、アイアンマン ディスタンス レースを続けることに魅力を感じる一方で、(私自身がそうであったように)面白みがなくなるリスクもありました。こういった過酷なスポーツへと移ったことで、新鮮な空気を吸ったように感じました。  

子供に戻ったような、少なくとも大人になってから、今までにやったことのないことに挑戦している気持ちになれます。最後まで完走できるか、ましてやレースを無事終わらせることができるのかもわかりません。    

私は大人になってからも、自分の決意を試すようなこと、普通とは違うこと、他の人には不可能だと思われるようなことをしたいと思って育ちました。重要なのは、この野望のために準備をして実践することで、他の人にも不可能だと思われる目標を達成するように刺激を与えることができることです。これには大きな価値があります。今、私はこういった過酷なイベントに参加して、自分がどれだけ速く走れるかを試すことができるというユニークな立場にいます。サディストなのかもしれませんが、他の方法では得られない経験です。  

通常のアイアン レースに少し飽きてきたところで、トライアスロンというスポーツの中で、非常にユニークなことをしてみたいと思う人にはぴったりだと思います。
 
 

ケルトマンやノースマンなどのレースへの準備を始めるには? 

トレーニングだけでいいということはありません! 

まずは、エクストリーム/ステージ トライアスロンの経験が豊富なコーチを雇う必要があります。あなたが参加するレースに特化したカスタムプログラム(コースの難易度、地形、天候などを考慮して)を提供してもらい、あなたの人生や目標と共に、あなたの現在の強みと弱点についても理解してもらう必要があります。

次に、両レースとも(ウルトラマンと同様)、サポートカーが必要です。これは準備の中でもかなり重要な部分を占めています。というのも、サポートカーに乗る人を決める(説得する)だけでなく、各人の役割も決める必要があるからです。例えばウルトラマンの場合、私は「G.O.A.T.スクワッド」と呼んでいるとても親しい4人の仲間がいます。運転手(Nick Rinaudo)は分離不安とロードレイジという最高の組み合わせを持ち、彼の隣の助手席には戦術担当(Nick Quinn)がいます。私のサイクリングやランニングするパワーとHRを計算し、今いるコース部分、競争相手の状態、その日の総合的な目標に照らし合わせて、どれだけ厳しく(または軽く)プッシュする必要があるかを決定する役割を担っています。彼の後ろにスタンバイするのは、栄養・水分補給担当(Steve Wehlow)です。彼は1日目の始まりから終わり3日目の終了までに私が摂取したすべての炭水化物のグラム数を記録してくれます(彼は会計士で、非常に素晴らしいエクセルシートを片手に持っています)。最後の4つ目の席(Andrew Perry)にいる人は、全員に水分を配りながら、私を含めた全員を元気にしてくれています。巨大なチームワークです。

3つ目に、総合的なパフォーマンスのためには、栄養が非常に重要です。トレーニングのデータやプログラムにばかり気を取られて、スポーツ以外の食事については気にしていない人がいます。私は、エキストリーム エンデュランスの分野の経験を持つ資格のある栄養士に相談することをお勧めします。そうすることで、消費カロリーをトレーニングに合わせることができますし、マクロ量(炭水化物、脂肪、タンパク質)を、こなしたばかりのセッションや明日、明後日のセッションなどに応じて変えることができるからです。私は TinLaneCo を利用していますが、多くの人が軽視している分野で、非常に大きなパフォーマンス向上効果があることがわかりました。   

最後に、こういった過酷なエンデュランス イベント向けのトレーニングに影響を与えるすべての側面にも目を向ける必要があります。一貫性が非常に肝心となるため、一貫性を実現するために1%前後に目を向けることが重要です。睡眠や体のメンテナンス(マッサージやピラティスなど)は非常に重要です。  


CerveloトライアスリートのRichard Thompson
Richard Thompson's Cervélo P5

レース当日に忘れてはいけないことのベスト3とは? 

1. その瞬間に集中する

言うのは簡単ですが、実行するとなるととても難しいことです。長く過酷なレースでは、レース中に起こったことを嘆いたり、レースの残り時間を気にしたりすることもありますが、それは自分自身に対するひどい仕打ちです。今、この瞬間を大切にしてください。結局のところ、私たちにできるのはそれだけです。起こってしまったことは変えられませんし、未来もそれが今現在となった時にのみ対応できることだからです。ノースマンやケルトマンのような過酷なレースでは、先のことは考えずに、今現在、水の中で進んでいる10メートル、バイクでサイクリングしたキロ、ランニングで走っている500ヤードのみに集中してください。気がつくと、人生において大切となるレースを終えてゴールしているはずです! 

2. チームに耳を傾ける

トライアスリートにとって、レース中にサポートカーがついてくるという経験はほとんどありません。トライアスリートは、すべてを自分でコントロールしたいと思うAタイプの人間ですが、このような過酷なレースでは、できる限りチームに委ね、彼らのアドバイスを信頼する必要があります。レースが進むにつれ、認知能力は著しく低下していきます。ですから、車であなたの後ろを付いてくる、脳が正常に働いている人からのチームの指示に従うのは当然のことです。言うは易し、行うは難しですが、素晴らしいレースをするためには重要なことです。

3. 楽しむ

このような過酷なレースに参加するために、あなたは家の中でトレーニングをし、多くの時間、エネルギー、リソースを犠牲にしてきました。ですから、このレースで得られるすべての経験を楽しんでください。すべてが順調にいくものではありませんが、それでいいのです。この種のイベントの魅力のひとつは、自分がその地域を開拓しているような気分になれることです。手つかずの自然が残る壮大な世界で、自分の許容範囲を超えたことをするのが醍醐味です。ですから、周りを見てその景色に浸りながら、楽しむことを忘れないでください。そして、この地球上でほんの一握りの人しかやったことのないことをする機会を得たことに感謝してください。

ケルトマンであれ、ノースマンであれ、ウルトラマンであれ、あるいはその他の究極のウルトラ エンデュランス トライアスロンであれ、私は心の底から、それに挑戦することをお勧めします。

 

可能性に挑戦してください

Richard Thompson

Richard Thompsonは、夫であり、3人の男の子の父親であり、プロのウルトラ エンデュランス トライアスロン選手でもあります。彼は2018年度ウルトラマン トライアスロンの世界チャンピオンであり、現在のウルトラマン世界記録保持者でもあります。RichardはT:Zero Multisportのヘッドコーチを努めており、普段はP5でエアロバイクを漕いでいるか、S5でサンシャインコーストのヒンターランドのどこかにいます。